図書館の未来

 京急線横須賀中央駅を降りて平坂を上り、交番を右手に入ってさらに坂を上ると横須賀市立中央図書館があります。図書館の手前には公園があり、名前を緒明山公園といいます。この漢字はなんて読むんだろうと以前から気になっていましたが、まあ読めなくても困らないので「ちょめいやま」って読むのかなあ、う〜ん、と思っていました。
 しかしこれは「おあけ」と読み、この場所が、「緒明菊三郎」という人が所有していた山だったことを知りました。名前の由来は、明治になって平民も苗字を名乗るようになった際に、菊三郎の祖母が夜明けまで古着で履物の鼻緒を作っていたことにちなんで菊三郎がつけた苗字だそうです。そして菊三郎は父が船大工であったことから造船に携わるようになり、やがて自分の造船所を持ち浦賀船渠にも関わりがあったようです。それで横須賀に縁があったのでしょう。
 さて、緒明山にあるこの図書館、個人的には随分と利用させてもらっていますが、最近、やや元気がないように思えます。そこで、横須賀市の図書館の将来について考えてみたいと思います。

1 現状の分析

横須賀市立図書館と藤沢市立図書館の比較


 横須賀市と人口規模がほぼ同じ市に、藤沢市があります。そこで横須賀市の図書館の現状を理解するために、藤沢市の図書館の現状と比較してみます。

 まず、両市の図書館及び図書室の数は、それぞれ次のようになっています。

表1 横須賀市と藤沢市の図書館・図書室数の比較


図書館(4館)
図書室

横須賀市
 
中央図書館 児童図書館 北図書館 南図書館 サテライト館(10)

藤 沢 市
 
総合図書館 南市民図書館 辻堂市民図書館 湘南大庭図書館 市民図書室(11) 


 藤沢市の市民図書室はミニ図書館のようなもので、横須賀市の行政センターに該当する市民センターに併設されています。横須賀市の行政センターにも藤沢市と同様図書室があり、コミュニティセンター図書室と呼ばれています。横須賀市と藤沢市の図書館と図書室の数はほぼ同数です。なお、図書室(サテライト館)というのは、行政センターにあるコミュニティセンター図書室と、汐入のウエルシティ5階にある生涯学習センター図書室を合わせた呼び名です。

 私も藤沢市の総合図書館を訪ねたことがありますが、横須賀市よりも広々とした感じで、様々な種類の全集が書棚の最上段に、わあっという感じで並んでいて、何より蔵書の種類の層の厚さに圧倒されます。特に郷土資料室(藤沢市では地域資料室)の資料は藤沢市の方が圧倒的に充実しており、県内各市の郷土資料が多数置かれていて、横須賀市に関連する資料もたくさんありました。利用している人の数も藤沢市の方が多いように思えました。

 また駐車場も横須賀中央図書館では10台程度ですが、藤沢市総合図書館では20台くらいありそうでした。ただし藤沢市の駐車場は、2時間までは無料ですが、それを過ぎると30分ごとに100円となっていました。(ただし、自習をする学習室は、横須賀の方が充実しています。)

 次に両市の蔵書冊数と貸出数を比較してみます。資料は 「神奈川の図書館 2019年」(神奈川県図書館協会)によります。

表2 横須賀市と藤沢市の比較(H24年度実績)

  人口 図書資料総数 個人貸出総冊数 蔵書回転率 

横須賀市
 
390,275 837,655 1,595,577 1,9

藤 沢 市
 
436,744 1,234,527 3,503,857 2,8

出典;神奈川の図書館2019(神奈川県図書館協会)
人口;神奈川県HP(2020.9.1現在)        




 人口はだいぶ差が開いてきました。横須賀市の蔵書冊数は藤沢市の約68%、貸出数はわずか約46%となっています。

 これを横須賀市を基準に言い直すと、藤沢市は蔵書冊数が横須賀市の約1.5倍、貸出数は約2.2倍あるということになります。

 このように、横須賀市の図書館は藤沢市に比べて蔵書冊数も貸出数も少なく、蔵書回転率も低い数字となっています。そこで、貸出数や蔵書回転率を上げるには蔵書冊数を増やすことが対策のように思えますが、果たしてそうなるのでしょうか。せっかく蔵書冊数を増やしても、その増加以上に貸出数が増えなければ蔵書回転率は上がりませんから、ここは検討が必要でしょう。そこで、「横須賀の図書館 令和元年(2019年)」にある「県内他都市との比較(出典:「神奈川の図書館2018」)」にある県内20市町村のデータをもとに検討してみます。

蔵書冊数と貸出数の関係


表3 蔵書冊数と貸出冊数の関係(蔵書冊数の多い順)

  市民一人当たり
回転率
(蔵書冊数/貸出冊数)
 
  蔵書冊数 貸出冊数
1 南足柄市 5.3 3.6 0.7
2 葉 山 町 4.8 4.2 0.9
3 逗 子 市 4.0 8.1 2.0
4 厚 木 市 3.4 4.9 1.4
5 鎌 倉 市 3.2 7.1 2.2
6 座 間 市 3.2 7.0 2.2
7 海老名市 3.1 6.2 2.0
8 平 塚 市 3.1 5.2 1.7
9 伊勢原市 3.1 5.0 1.6
10 秦 野 市 3.0 3.4 1.1
11 藤 沢 市 2.9 8.4 2.9
12 綾 瀬 市 2.9 4.9 1.7
13 大 和 市 2.3 5.4 2.3
14小田原市 2.2 2.1 0.9
15茅ケ崎市 2.1 4.3 2.1
16横須賀市 2.1 3.8 1.8
17相模原市 2.0 3.8 1.9
18 三 浦 市 1.6 1.1 0.7
19 川 崎 市 1.3 4.3 3.4
20 横 浜 市 1.1 2.8 2.6


 「市民一人当たりの蔵書冊数」を数の多い順に並べ替えてみました。1位が南足柄市で、一人当たり5.3冊となっています。横須賀市は2.1冊と20市町中16番目という低い順位です。表を見やすくするために、蔵書冊数の上位10市町と下位の10市町の二つに区分してみます。上位グループの蔵書冊数は3冊以上、下位グループを3冊未満となっています。

 上位グループの貸出数は3冊台から8冊台までで平均は5.5冊、一方の下位グループは1冊台から8冊台までで平均は4.6となっており、大きくみれば「市民一人当たりの蔵書冊数」の多い市町ほど「市民一人当たりの貸出冊数」も多いという傾向があるようにも思えますが、一つ一つ見ていくと決定的に相関関係がある、とまでは言えそうもありません。

 さらに、蔵書回転率との関係についていえば、相関関係はなさそうです。かえって、蔵書冊数の少ない下位グループの方が、蔵書回転率の平均は高くなっています。


貸出数の傾向からみた蔵書冊数の必要目安


 次の表は、「市民一人当たりの貸出数」の多い順に並び替えた表です。

表4 蔵書冊数と貸出冊数の関係(貸出冊数の多い順)

  市民一人当たり
回転率
(蔵書冊数/貸出冊数)
 
  蔵書冊数 貸出冊数
1  藤 沢 市 2.9 8.4 2.9
2  逗 子 市 4.0 8.1 2.0
3  鎌 倉 市 3.2 7.1 2.2
4  座 間 市 3.2 7.0 2.2
5 海老名市 3.1 6.2 2.0
6  大 和 市 2.3 5.4 2.3
7  平 塚 市 3.1 5.2 1.7
8 伊勢原市 3.1 5.0 1.6
9  厚 木 町 3.4 4.9 1.4
10 綾 瀬 市 2.9 4.9 1.7
11茅ケ崎市 2.1 4.3 2.1
12 川 崎 市 1.3 4.3 3.4
13 葉 山 町 4.8 4.2 0.9
14横須賀市 2.1 3.8 1.8
15相模原市 2.0 3.8 1.9
16南足柄市 5.3 3.6 0.7
17 秦 野 市 3.0 3.4 1.1
18 横 浜 市 1.1 2.8 2.6
19小田原市 2.2 2.1 0.9
20 三 浦 市 1.6 1.1 0.7


 ここでは、藤沢市が8.4冊と最も多く、横須賀市は14位とやはり低い順番です。表2と同じく、上位10市町と下位の10市町を比較すると、上位10市町は概ね「市民一人当たりの蔵書冊数」が3.0を超えていることがわかります。一方下位の10市町は概ね3.0を下回っています。もちろん下位の10市町でも3.0を超える市町もありますから、3.0以上になれば「市民一人当たりの貸出数」が上位となる、ということは証明できませんが、横須賀市が目指す「市民一人当たりの蔵書冊数」として3.0冊を指標とすることは可能だと思います。


蔵書回転率


表5 蔵書冊数と貸出冊数の関係(回転率の多い順)

  市民一人当たり
回転率
(蔵書冊数/貸出冊数)
 
  蔵書冊数 貸出冊数
1  川 崎 市 1.3 4.3 3.4
2  藤 沢 市 2.9 8.4 2.9
3  横 浜 市 1.1 2.8 2.6
4  大 和 市 2.3 5.4 2.3
5  鎌 倉 市 3.2 7.1 2.2
6  座 間 市 3.2 7.0 2.2
7 茅ケ崎市 2.1 4.3 2.1
8  逗 子 市 4.0 8.1 2.0
9 海老名市 3.1 6.2 2.0
10相模原市 2.0 3.8 1.9
11横須賀市 2.1 3.8 1.8
12 平 塚 市 3.1 5.2 1.7
13 綾 瀬 市 2.9 4.9 1.7
14伊勢原市 3.1 5.0 1.6
15 厚 木 市 3.4 4.9 1.4
16 秦 野 市 3.0 3.4 1.1
17 葉 山 町 4.8 4.2 0.9
18小田原市 2.2 2.1 0.9
19南足柄市 5.3 3.6 0.7
20 三 浦 市 1.6 1.1 0.7


 さて、最後に「蔵書回転率」の高い順に表を並べ替えてみました。ここでの1位は川崎市、横須賀市は11位と少し順位を上げました。

 この回転率の順位をみると、蔵書冊数の多寡との相関関係が見当たりません。むしろ「市民一人当たりの蔵書冊数」の少ない市町(横浜市1.1、川崎市1.3など)が上位を占めています。少ない冊数で回転率が高いということは、利用率の高い本を効果的に揃えていること等が要因と思われますが、まだその他にも各市町村による工夫が凝らされているのかもしれません。

データからいえること


 さて、ここまで「市民一人当たりの蔵書冊数」と「市民一人当たりの貸出数」、そして「蔵書回転率」の関係をみてきました。ここまでのところでいえることは、次のようなことだと思われます。

  1. 20市町の比較からすると、「市民一人当たりの貸出数」が多い市町では、「市民一人当たりの蔵書冊数」が一人当たりおおむね3冊台となっていることから、量的な側面としては横須賀市においても、一人当たり3冊程度の蔵書の整備が必要である。横須賀市の人口を40万人とすると、一人当たり3冊で120万冊となるので、あと40万冊程度の増冊が必要となる。
  2. 「蔵書回転率」をみると、回転率の高い市町は、必ずしも「市民一人当たりの蔵書冊数」の高い市町とは限らない。むしろ、少ない市町でも高い回転率を出すことが可能である。そこで、回転率を上げるには、図書選定の方法と、図書館利用の促進を図るための質的な工夫が必要である。



 つまり、蔵書を増やすことも必要ですが、蔵書の回転を上げるためには、図書館の活用を促進するための工夫がさらに必要だということです。そこで、この現状に対してどんな手を打つのかが課題となりますが、その前にまず、図書館とはそもそも何をするところなのか、法律をみてみたいと思います。

2 図書館のあり方を考える

図書館法を読む

図書館法 (昭和二十五年四月三十日法律第百十八号)
(定義)
第二条  この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。



 図書館は教養だけでなく、調査研究そしてレクリエーションに資する施設である、となっています。レクリエーションが入っているのが、なんともありがたいことです。図書館というと何となく堅苦しいイメージがありますが、誰もが気軽に利用できる、そんな雰囲気の施設になってほしいものです。

(図書館奉仕)
第三条  図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。



 図書館は単に利用者に図書を貸し出すだけでなく、学校教育を援助する、となっているところがいいですね。また図書の利用は家庭教育の向上に役立つという視点も大切だと思います。以下、具体的な役割が10項目挙げられています。

  1. 郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料を収集し、一般公衆の利用に供すること。
  2. 図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
  3. 図書館の職員が図書館資料について十分な知識を持ち、その利用のための相談に応ずるようにすること。
  4. 他の図書館、国立国会図書館、地方公共団体の議会に附置する図書室及び学校に附属する図書館又は図書室と緊密に連絡し、協力し、図書館資料の相互貸借を行うこと。
  5. 分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。
  6. 読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を主催し、及びこれらの開催を奨励すること。
  7. 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供すること。
  8. 社会教育における学習の機会を利用して行つた学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励すること。
  9. 学校、博物館、公民館、研究所等と緊密に連絡し、協力すること。

*一部省略してあります


図書館法から考える


 このように、法律をみると図書館の業務は多岐にわたっていることがわかります。これだけの機能を全て、そしてきちんと整えることができたら、さぞや素晴らしい図書館になると思われます。そうした意味で、なかなかいい法律だと思います。

 この中で注目すべきは、

4.「 学校に附属する図書室と緊密に連携し、図書館資料の相互貸借を行う」
6.「 読書会、研究会等を主催し、これらの開催を奨励する」
7.「 時事に関する情報及び参考資料を紹介し、及び提供する」
8.「 社会教育における学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、奨励する」
9.「 博物館等と緊密に連携し、協力する」
                                          *必要な部分のみ抜粋してあります



あたりかと思います。この法律が出来たのが昭和25年ですから、戦後間もなくの、学習に対する希望に満ちた雰囲気が伝わってくるようです。


図書館活動の現状


 次に、先に挙げた図書館法の中のポイントとなる部分について、実際に横須賀市立図書館がどんな事業を行っているかみてみたいと思います。資料は同じく「横須賀の図書館 平成26年(2014年)」によります。

 まず「学校に附属する図書室と緊密に連携し、図書館資料の相互貸借を行う」取り組みについては、「団体貸出」事業がこれに該当すると思われます。

表6 団体貸出登録団体一覧及び配本冊数(平成30年度実績)抜粋

団体名 書架にある冊数 一回当配本数 年間配本冊数 信年間配本回数
横須賀市立ろう学校 224 151 452 3
横須賀市立長井小 240 0 0 0
横須賀市立大塚台小 235 0 0 0
横須賀市立桜小 198 0 0 0
横須賀市立森崎小 271 0 0 0
横須賀市立野比東小 298 0 0 0
横須賀市立野比小 205 0 0 0
横須賀市立大楠小 218 0 0 0
横須賀市立大楠中 0 0 0 0


 10の文庫と19の施設が団体貸出登録団体となっていますが、ここではそのうち学校を抜粋しました。小学校7校・中学校1校・ろう学校1校が登録されています。ろう学校をみると、「書架にある冊数224」「一回当配本数151」「年間配本冊数452」「年間配本回数3」となっています。これは、常設の書架に図書館の本が224冊おいてあり、その他に年3回、1回につき151冊貸し出したよ、ということを意味しています。

 小中学校については、「書架にある冊数」の記載はありますが、配本回数は0回となっているので、年間の配本は行っていないようです。

 次に「読書会、研究会等を主催し、これらの開催を奨励する」「社会教育における学習の機会を利用して行った学習の成果を活用して行う教育活動その他の活動の機会を提供し、及びその提供を奨励する」「博物館等と緊密に連携し、協力する」については、事業一覧をみても、こられに該当する事業は見当たりません。

 一方、図書館が「奉仕」する対象として学校教育と並んで挙げられている「家庭教育」については、映画鑑賞会や子ども向けの読み聞かせ、医療と介護・健康に関する講演会などが行われており、事業として取り組まれていることがわかります。しかし、学校教育や社会教育、また博物館等との連携事業についてはあまり行われていないようなので、この分野での事業作りが今後の課題だと考えます。


図書館法の趣旨


 図書館法には図書館の役割が列挙されていますが、横須賀市において実施されているのはその一部に過ぎないようです。法が想定しているのは、図書館が単体で行うだけではなく、学校教育、社会教育との組み合わせによる事業立てであり、施設としても学校や博物館等と連携した事業を実施することです。つまり、図書を媒体とした市民のネットワークの構築こそが法の求めるものである、と理解できます。図書館の事業を、学校教育及び社会教育と組み合わせ博物館等と連携して実施することが、図書館法に書かれている趣旨を生かす最も本質的な取り組みであるということです。そこで次に、この視点で、図書館機能の今後の在り方を考えてみます。

 家庭教育については、かなりの取り組みが行われているので、ここでは、学校教育・社会教育・機関連携について考えます。




図書館エリア作戦


 ここで私の作戦は次のようなものです。

① 学校教育への援助

 図書貸出キットを用意する。キットの内容は次の通り。

 ○三浦半島の成り立ち
 ○三浦半島の植物
 ○鎌倉幕府を支えた三浦一族
 ○明治維新に果たした横須賀の役割
 ○戦争期における横須賀の果たした役割
 ○米軍基地と自衛隊基地のある現在の横須賀の課題


 このようなテーマ性をもった貸出図書キットを用意し、学校へ貸し出す。学校はいずれかのテーマを、教科学習や総合的な学習の時間等に重点的に学習する。


② 各テーマの読書会・研究会の実施

 同様に成人を対象として、上記のテーマに沿って読書会や研究会を実施する。


③ ①と②の成果の組み合わせ

 上記の読書会・研究会で学んだことや研究したことを、社会に還元してもらう工夫をする。例えば、明治維新に関する子どもの読書感想文コンクールを実施し、その審査員を同テーマの読書会のメンバーに行ってもらう、子どもたちと大人たちが同一テーマで研究発表の場を用意して市民に公開して実施する、読書会・研究会に参加して各テーマに精通している大人が学校の教育活動に参加し、話をしたり助言をしたりする、などが考えられる。


④ 博物館等との協力

 読書会・研究会については、自然分野については天神島ビジターセンターや馬堀自然教育園そして自然人文博物館で、歴史については、自然人文博物館に加え、ペリー記念館やヴェルニー記念館、美術については横須賀美術館などにおいて、実際の自然や資料、また美術品などに囲まれながら行うなど、博物館等と協力して実施する。

まとめ


 横須賀には立派な美術館があります。普段はあまり混雑していませんが、小学生の作品展には、多くの大人たちで会場が一杯になります。子どもたちがこうしたテーマで研究し大人と一緒に発表すれば、家族や親戚の人たちが集まってくるでしょう。

 さらに図書館についても、武士の時代から明治維新にまでは南図書館、近現代の歴史は中央図書館、特に海軍の歴史は北図書館、といったようにそれぞれの地域の特性にあわせた本や資料を揃えることにより、市内4つの図書館にそれぞれの特長を持たせ、図書利用や図書館利用の活性化を図ってはどうでしょうか。

 図書館の課題は、蔵書冊数を増やしたり貸出数や蔵書回転率を上げたりすること、そのものにあるわけではありません。そうではなく、こうした活動を通じて、市民のネットワークが形成されて学習活動が活発となり、人々の日常が豊かになることを実現することこそが、図書館の使命であるといえます。図書館の将来のあり方を検討する際には、こうした視点を持って事業を考えることが必要だと思います。