サテライト館(10館)

サテライト館(コミュニティーセンターにある図書室)と歴史エリア

田浦コミュニティーセンター

 京急田浦駅から徒歩5分の場所にあります。児童書がたくさんあるなあ、という印象でした。私はここで、川崎洋の「サイパンと呼ばれた男」(新潮社)を借りました。サイパン島から引き揚げ、横須賀どぶ板で靴磨きをしていた男について書かれた本です。川崎は21歳のときに横須賀へきて9年間ベースに勤め、「戦勝国の占領者と、被征服者として鼻をつき合せて過ごし」ています。川崎はサイパンと呼ばれた男と自分自身に同じ臭いを嗅ぎ取り、サイパンの生涯を探っていきます。それは自分自身の洗い直しの作業でした。横須賀に生きるということは戦争を背負って生きることだ、ということは現在でも同じだと思います。(2016.5.5)

逸見コミュニティーセンター

 京急逸見駅の裏手すぐの所にあります。明るい室内で、三方の壁に書架が並び、図書が整然ときれいに並んでいます。カウンターの職員の方が、「予約の本が入りました」と各家庭に連絡していました。随分とたくさんの取り寄せの予約が入るんだなと思いました。確かに身近な場所で本が借りられれば、中央図書館に行かなくて済みます。私はここで、「新稿三浦半島通史」(文芸社)という本を借りました。三浦半島には、古代から現代まで、どの時代をとっても個性的な魅力があります。この本では「意識的に半島と海域を対比して描いてみた」とあります。「海」がキーワードということです。本はどの図書館で借りても、図書館ポストで返却できます。私は衣笠駅のポストに返します。予約も返却もとても便利です。(2016.5.5)

なまびかん図書室

 JR横須賀駅から徒歩5分の場所にある高層マンションの5階に、横須賀市生涯学習センターがあります。ここは、他のコミュニティーセンターを大規模にした施設で、図書室・学習室・和室などに加え、市民大学やパソコン研修室などもある本格的な生涯学習センターです。図書室も他のセンターに比べると本格的で、蔵書もおよそ18,000冊あり、充実している印象です。しかしここは中央図書館にも近いことから、他の図書室と同じような図書を揃えててもあまり面白くありません。目の前はまさに横須賀港、という場所にあるのですから、思い切って横須賀製鉄所から横須賀鎮守府、米軍基地へと続く横須賀の歴史にまつわる資料に特化した図書室にしてはどうでしょうか。県内・県外から多くの人が訪れ、よこすか軍港めぐりの後この図書室を訪れ、三冷ホッピーを飲んで海軍カレーを食べて帰る、そんな観光コースの拠点になるといいと思います。

衣笠コミュニティーセンター

 衣笠十字路にあるコミュニティーセンターです。ここには、三浦一族の武将たちの鎧が展示されています。衣笠で毎年行われる三浦一族祭りのときに使われる鎧です。きれいにしっかりと制作されており、これだけのものをよく作られたなと感心します。図書室には三浦一族に関する図書もあります。





大津コミュニティーセンター

 いつの間にか新しい建物ができていました。きれいで立派な建物です。どこのコミュニティーセンターにも、図書室の他、体育館や調理室そして複数の学習室がありますが、新しいとやはり立派に見えます。大津には坂本龍馬の妻のお龍さんのお墓がある信楽寺(しんぎょうじ)があります。横須賀で最も、坂本龍馬にゆかりのある土地といえます。そこで、ここの図書室にある龍馬ゆかりの本の数を数えたらおよそ100冊の関連本がありました。これは、サテライト図書室のモデルであると思います。坂本龍馬だからこそ関連本を100冊も集められるのだと思いますが、その地域の特色である郷土資料に特化して本を揃えることは、10ある図書室に、それぞれの特色をもたせることになります。同様の本が均一にあってもあまり面白くありません。他の図書室でも、ぜひ特色をアピールしてほしいと思います。(2016.5.5)

浦賀コミュニティーセンター

 京急浦賀駅から徒歩7分の場所にあります。10あるコミュニティーセンターの図書室には、どこも「新横須賀市史」や「三浦一族研究」「市史研究横須賀」などの本が揃えられています。浦賀コミュニティーセンターには郷土資料館としての分館もあり、ここには浦賀奉行所や中島三郎助に関する資料がたくさんあります。中島三郎助は息子たちと共に函館五稜郭で戦死しますが、この三郎助が書いた遺書なども展示してあり、非常にためになる資料館です。ここから歩いて約5分の所に、実際の浦賀奉行所跡があります。残っているのは、わずかに土台の石垣と門へ入るときに渡る石橋の一部ですが、こうした情報もこの資料館でビデオを使って流れています。是非浦賀奉行所を復元し、横須賀の子どもたちの学習の場として活用したいものです。また、図書室には中島三郎助の資料を揃えてほしいと思います。(2016.5.5)

武山コミュニティーセンター

 京急バスの「南武入口」もしくは「竹川」から徒歩約3分の場所にあります。ここも比較的新しい建物で、施設が充実しています。 どの図書室も児童書がたくさんあります。母子連れ、父子連れ、おばあちゃんと孫など、多くの親子が図書室にやってきます。サテライト館の有用性がとてもよくわかります。図書室以外にも集会室・体育館・調理実習室・和室・音楽室・会議室・学習室など、多くの機能を有する施設で地域の人たちが多数利用する場所なので、入口には警備員の人がいて安心です。また、図書室の職員の人はどこでも感じがよく、帰り際には「ありがとうございました」と必ず声をかけてくれます。まさに地域の拠点となるコミュニティーとなっています。(2016.5.6)

西コミュニティーセンター

 京急バス停「市民病院前」から徒歩5分、県立海洋科学高校の裏手にあります。ここは他の図書室に比べて部屋も広く、図書も各ジャンルの本がそろっていて冊数も多いです。駐車場は49台分もあり、充実です。カバーするエリアが広く、車でないと不便なせいもあるかもしれません。ここで若命又男著「和田義盛」という本を見つけました。地元の香りだだよう若命家と和田義盛の組み合わせが、なんとも深い味わいがあります。こうした本を発見することができるのも、ローカルな図書室の魅力の一つでしょう。(2016.5.6)


長井コミュニティーセンター

 京急バス停「長井小学校」下車、徒歩5分です。荒崎入口の交差点を入り長井中学校の奥、長井小学校の隣にあります。他のセンターに比べてこじんまりしていますが、2階の窓からは荒崎海岸が見えて味わいのある場所にあります。ここで「古老が語るふるさとの歴史 西部編」という本を見つけました。この中に「よこすか糞尿譚」というお話が出てきます。日露戦争までは糞尿は自家で始末し、第二次世界大戦以降は行政が全部を処分している。それでは日露戦争以降第二次世界大戦までの間はどうやって処分していたか、というお話です。なかなかウイットに富んだお話なので、興味のある方はぜひこの本を読んでみてください。こんな小噺も、人生を豊かにしてくれると思います。
 ところでここ長井には、あの井上成美が晩年住んでいた家があります。そこでここの図書室には、井上に関する本を是非そろえていただきたいものです。さらにいうなら、学習室を一つ使って、現在井上の住居跡にある資料を展示してもらえたら最高だと思います。(2016.5.6)

北下浦コミュニティーセンター

 京急長沢駅から徒歩12分の場所にあります。隣接して海に面して長岡半太郎記念館・若山牧水資料館があります。歌人若山牧水は1年余りここ北下浦に住み、物理学者の長岡半太郎は40年間やはり北下浦に別荘を持ってました。目の前は一面海になっており、ここに長岡博士愛用の鬼の机というのがあり、「座ると頭がよくなる」と書いてあったので、私もひとしきり座ってきました。そんなことで、北下浦の図書室には、若山牧水の本がたくさんありました。その土地土地にゆかりのある人の本がたくさんあるのは、とても理想的だと思いました。(2016.5.6)