言葉を育てる

◯はじめに

 近年、学校ではいじめやラインをめぐるトラブル、家庭では児童虐待やDV、また社会全体では、ネットによる中傷、ストーカーや衝動的な殺人事件など、多くの問題が発生しています。こうした行動はいずれも感情のコントロールやコミュニケーションの取り方に課題があると考えられます。

 こうした事態を前にして、学校は、いじめ対策、不登校対策、自殺対策、SNSやスマホの使い方、個人情報保護等々、次々と対応を迫られています。もちろんそれも必要なことではありますが、対処療法的とも思えるこうした要求に振り回され、学校が取り組んでいる本来の使命が、教職員にも社会にも見えにくくなっています。これは、社会全体にとって不幸な事態といえるでしょう。

 それでは学校教育の本来の使命とはなんでしょうか。以下ロシアの発達心理学者であるヴィゴツキーという人の考えを紹介しながら、この問題について考えてみたいと思います。