陸上自衛隊のHPによれば、「各種事態における実効的な抑止及び対処」として、「周辺海空域における安全確保」「島嶼部に対する攻撃への対応(「平素の部隊配置」、「機動展開」、「奪回」)」「弾道ミサイル攻撃への対応(ゲリラや特殊部隊による攻撃への対応を含む)」「宇宙空間及びサイバー空間における対応」「大規模災害等への対応」が掲げられています。領土問題や北朝鮮のミサイル問題をふまえ、憲法9条についての議論が今後ますます増えていくでしょう。まずは、現状を理解することが重要であると考えます。


横須賀市に関連する陸上自衛隊の組織

防衛方面隊

 

 陸上自衛隊では日本列島を次の5つの区域に分け、それぞれに方面隊を配置しています。各方面隊には、複数の師団と旅団が配置されています。また、各方面隊には駐屯地が置かれています。

方面隊 師 団 旅 団
北部方面隊 第2師団 第7師団 第5旅団
第11師団
東北方面隊 第6師団 第9師団
東部方面隊 第1師団 第12旅団
中部方面隊 第3師団 第10師団 第13旅団 第14旅団
西部方面隊 第4師団 第8師団 第15旅団


東部方面隊の編成


 横須賀市は5つの方面隊の中の東部方面隊のエリアにあります。この東部方面隊の編成は次のようになっています。東部方面隊には37の駐屯地がおかれています。横須賀には、武山に駐屯地がおかれています。

東部方面隊





















12












































































































 

第1師団と第12旅団の比較


 東部方面隊には、第1師団と第12旅団がおかれています。師団と旅団とはどう違うのか、表で並べて比べてみました。

第1師団 第12旅団
師団司令部及び同付隊 旅団司令部及び同付隊
第1普通科連隊 第2普通科連隊
第32普通科連隊 第13普通科連隊
第34普通科連隊 第30普通科連隊
第1後方支援隊 第12後方支援隊
第1特科隊 第12特科隊
第1戦車大隊 第12対戦車中隊
第1高射特科大隊 第12高射特科中隊
第1施設大隊 第12施設隊
第1通信大隊 第12通信隊
第1偵察隊 第12偵察隊
第1音楽隊 第12音楽隊
第1飛行隊  ー
第1特殊武器防護隊  ー
第12ヘリコプター隊
第12科学防護隊

*陸上自衛隊HPをもとに作成。比較するため順番は一部変えましたが、名称はそのままです。

 構成はだいたい同様です。普通科はどちらも連隊ですが、戦車隊と高射特科隊は大隊と中隊の違いがあります。また、師団では施設大隊・通信大隊ですが、旅団では施設隊・通信隊となっています。規模の違いがみられます。なお、普通科と高射特科という言葉は聞きなれない言葉ですが、陸上自衛隊のHPには次のように説明されています。

普通科

 地上戦闘の骨幹部隊として、機動力、火力、近接戦闘能力を有し、作戦戦闘に重要な役割を果たします。

高射特科部隊

 対空戦闘部隊として侵攻する航空機を要撃するとともに、広範囲にわたり迅速かつ組織的な対空情報活動を行います。

軍隊の編成は、分隊ー小隊ー中隊ー大隊ー連隊ー旅団ー師団となります。人数は10人程度の分隊に始まり、旅団では4,000人から5,000人、師団では8,000人を超える大きさのようです。


東部方面混成団

 
 東部方面隊の編成の一つが、武山駐屯地に本部がおかれている東部方面混成団です。混成団というのは、教育部隊と即応予備自衛官を主体とした普通科連隊を師団・旅団から切り離して統合したもので、そのことにより、師団・旅団の機動性を高めようとしたものとされています。ウィキペディアで東部方面隊について、次のように説明されています。

東部方面隊の基本教育部隊(第1教育団)を母体に第1師団隷下の第31普通科連隊を統合し、東部方面総監直轄部隊として再編したもの。これにより平時の基幹教育を一括し、有事発生時には第1師団、第12旅団の常備自衛官のみによる部隊で即応体制をとり、多様化する任務に対しより効率的な対応を取ることが出来るとしている。


 即応予備自衛官というのは、自衛官経験者や退職者などを対象にした、通常の予備自衛官よりも訓練・出頭回数を多く義務付けられる職ですが、招集実績としては次のように、災害救助などの活動を行っているようです。

2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災
2016年(平成28年)4月16日に発生した平成28年熊本地震


 東部方面混成団の編成は次のようになっています。

東部方面混成団












31






48






























117


















 武山駐屯地にあるのは、本部、第31普通科連隊、第117教育大隊です。相馬原(そうまがはら)は群馬県、板妻(いたづま)は静岡県御殿場市、駒門は御殿場市駒門(こまかど)にある駐屯地です。

 陸上自衛官の階級は、上から順に将官ー佐官ー尉官ー曹ー士の順で、曹の中は、曹長ー1曹ー2曹ー3曹となっており、それぞれの呼称は、陸曹長ー1等陸曹ー2等陸曹ー3等陸曹です。機甲は機械で装甲する、という意味で機甲科部隊というと主に戦車隊をさします。

参考文献
・「陸上自衛隊ホームページ」
・「ウィキペディア」