核持ち込み発言の時代

 このページは、横須賀市ホームページの「核兵器の日本持込み問題」の中から、核持ち込み発言と密約問題調査報告にかんするものを表にしてまとめました。


  ラロック発言

報道日
昭和49年10月7日
発言場所
米議会原子力合同委員会軍事利用小委員会
発言内容
核兵器搭載能力のある艦船は、核兵器を搭載している。
政府見解
米軍による核兵器のわが国への持ち込みは、安保条約第6条の実施に関する交換文書に基づき事前協議により、同意を要することになっているが、従来このような事前協議が一度も行われた事例は一度もないので、我が国に核兵器を持ち込んでいないことに疑いはない。政府が核兵器については非核三原則を堅持していることは明確であるから、核持込みに関して米国政府から事前協議があった場合には、これを断る考えである。
米国政府見解
米国は、日本政府の意志に反して核兵器を日本に持ち込むことはない。
市長声明
今回の発言内容が事実とすれば、本市としては核装備可能な米国艦隊の横須賀港寄港を拒否せざるを得ず、さきに容認した米空母ミッドウェイの寄港についても撤回せざるを得ない。



  クレーター発言(米海軍長官)

報道日
昭和53年2月8日
発言場所
米国下院軍事委員会
発言内容
空母ミッドウェイは米国の戦略抑止力の部分をなす核攻撃用航空機の母艦の役割を果たしてきた
外務省見解
核持込みについて事前協議の通報は一度もなかったのでわが国への核持込みはない。
国務省声明
米国は日米安保条約及びその関連取極の下で、日本に対する約束を忠実に尊重してきた。
市長声明
市長の見解・態度は49.10.7声明と変わりない。



  ライシャワー発言(元駐日米国大使)

報道日
昭和56年5月18日
発言場所
新聞社のインタビュー
発言内容
核兵器を積んだ米国の艦船、航空機の日本領海、領空通過は、核持込みに当たらないという日米間の口頭了解がある。これに基づき、米艦船は核を積んだまま日本に寄港している。
市長声明
核積載寄港及び領海通過を含む「非核三原則」が今後厳正に遵守されることを、43万市民の安全を守る立場から強く要望する。



  米海軍軍艦辞典

報道日
昭和59年1月9日
報道内容
米海軍軍艦辞典に核ミサイルを搭載した通常型潜水艦グレイバック及びクラウラーが昭和34年から39年にかけて横須賀に寄港していた。
米国政府からの通知
グレイバック及びクラウラーがレグラスⅡ型ミサイルを積載していたとする記述は事実ではない。米海軍軍艦辞典の改訂を検討中である。
市長コメント
事実関係を政府において明らかにすること。「非核三原則」の厳正な遵守を、43万市民の安全を守る立場から政府に強く求める。



  ラスク元国務長官、ジョンソン元駐日大使

報道日
昭和63年10月21日
報道内容
米の核積載艦の日本寄港・通過問題をめぐって日米両政府間に、1960年代から「暗黙の了解」が存在していたことを、ディーン・ラスク元国務長官、アレクシス・ジョンソン元駐日大使らが確認した。
市照会
報道は事実か。報道内容について、米国政府に確認されたい。
外務省回答
そのような事実はない。私人としての発言なので政府としては米側に照会する考えはない。



  ユージン・キャロル退役少将(ミッドウエイ元艦長)発言

報道日
平成元年10月9日
発言内容
空母は公海上では核を搭載しており、行動の途中で核を積み下ろすことはない。
市長照会
発言内容の確認、1971年当時の空母ミッドウェイの横須賀寄港の有無、核兵器の持ち込みについて当時事前協議が行われたか。
外務省回答
米側には米軍の施設・区域への出入りの度ごとに我が方に通告すべき義務は課せられておらず、従って我が方として空母ミッドウェイの横須賀米軍施設・区域への入港実績を承知する立場にはない。政府としては、当時、核持ち込みの事前協議が行われなかった以上、米国による核持ち込みがなかったことについては、何らの疑いも有していない。



  マッカーサー元駐日大使発言

報道日
平成2年6月17日
報道内容
昭和35年の日米安全保障条約改正時のダクラス・マッカーサー元駐日大使が、「核兵器を搭載した米軍艦船の寄港及び領海通過は事前協議の対象外、との米側の立場を日本政府も了解していた。」と語った。
外務省北米局長回答
本件発言について、米国政府関係者がマッカーサー元駐日大使に確認したところ、同氏は「自分の駐日大使在任時代は、かなり昔のことでもあり、日本政府当局の一々の発言について、覚えておらず、また、報道されているような発言は行っていない」と述べたと聞いている。政府としては、マッカーサー元駐日大使は、報道されたような発言はしていないと了解している。



  ブッシュ大統領発表

報道日
平成3年9月27日(日本時間9月28日)
発表内容
核兵器削減計画を発表。特に海洋戦術核兵器について、核巡航ミサイルを含め艦艇と、攻撃型潜水艦からすべての戦術核兵器を撤去する。



  米国大統領声明

報道日
平成4年7月3日
報道内容
米国艦船からの戦術核兵器の撤去に関する米国大統領声明(撤去完了)
横須賀市照会
本日報道のあった、米国艦船からの戦術核兵器の撤去について、政府として承知しているか。
外務省回答
米側から事前に連絡を受けており、承知している。いつ撤去が完了したかについては具体的には承知していないが、発表のあった時点においては、撤去が完了していると承知している。
横須賀市
大統領声明の発表に関し、外務省に確認したことに伴い、これまで行ってきた核兵器搭載能力を有する米国艦船の寄港に伴う核兵器の有無の確認と「非核三原則」の厳正な遵守について、今後においては、その都度の要請は行わないこととした。



  文藝春秋6月号

報道日
平成6年5月11日
報道内容
沖縄返還の際に核持ち込みを認める密約が存在していた
市照会
事実関係の照会(口頭)
外務省回答
ご指摘のような密約は存在しない。69年11月21日の佐藤総理及びニクソン大統領の共同声明第8項に明確に述べられているとおり、日米間においては、沖縄の施政権の返還に関し、これが核についての日本政府の政策に背馳しないように実施される旨確認されている。なお、核持ち込みについての事前協議が行われた場合には、政府としては常にこれを拒否する考えであることについては、従来より繰り返して申し上げているとおりである。(口頭)



  大平-ライシャワー駐日大使会談

報道日
平成11年8月2日
報道内容
1963年、当時の大平外務大とライシャワー駐日大使との会談で「日本の領海や港内の艦船上の核は持ち込みに当たらない」旨、見解を示したことが米側の外交文書で明らかになった。
市照会
これが事実であるならば、核兵器を搭載した米艦船の寄港や領海内の通過が認められていたことになる。このことについて政府の見解を伺いたい。(口頭)
外務省回答
5月17日の日米防衛協力のための指針に関する特別委員会(参議院)において、高村外務大臣が述べているとおりである。(口頭)
・これは日本とアメリカが取り交わした文書ではない。
・核兵器持ち込みは、事前協議の対象になっている。
・事前協議が行われた場合には、政府として常にこれを拒否する。



  空母ミッドウェイの「核付き」配備

報道日
平成12年2月27日
報道内容
空母ミッドウェイの横須賀配備(1973年)は「核付き」を前提にしていた。
県・市照会
事実関係について(口頭)
外務省
米政府の内部文書に対し、政府としてコメントするのは適当でない。核兵器持ち込みは、事前協議の対象事項であり、協議されていない以上、非核三原則が遵守されているものと承知している。(口頭)



  密約問題調査報告

報道日
平成22年3月5日 外務省調査報告書
平成22年3月6日 有識者委員会報告書
報道内容
外務省調査報告書【安保条約改定時の核持ち込みに関する「密約」】
核搭載艦船の寄港等を事前協議の対象から除外するとの日米間の認識の不一致があったかどうかについては、それを否定する多くの文書が発見された。現実はむしろ、この点について日米間での認識の不一致があったということと思われる。
有識者委員会報告書【核搭載艦船の一時寄港】
日米両国間には核搭載艦船の寄港が事前協議の対象か否かにつき明確な合意はない。他方この問題の「処理」については合意がないわけではない。
日本政府は、米国政府の解釈に同意しなかったが、米側にその解釈を改めるよう働きかけることもなく、核搭載艦船が事前協議なしに寄港することを事実上黙認した。日米間には、この問題を深追いすることで同盟の運営に障害が生じることを避けようとする「暗黙の合意」(=広義の密約)が存在した。
日本政府の説明は、嘘を含む不正直なもの。民主主義の原則から、本来あってはならない。ただしその責任と反省は、冷戦という国際環境と国民の反核感情との間の容易ならざる調整を踏まえるべき。
政府見解
過去については、「事前協議が無かったから核を搭載した艦船の寄港は無かった」との説明を、「無かったとはいいきれない」と変更する。
これほど長期間、しかも冷戦時も明らかにされてこなかったことは、遺憾である。
関係機関、寄港地の自治体に対しては、誠に申し訳ない。
市要請
平成22年3月16日廣川副市長が外務省に赴き、政府見解に対し遺憾の意を伝えるとともに、次のとおり文書要請。
・核兵器搭載艦船が寄港することがないことの確認
・国是である「非核三原則」の遵守
外務省
平成22年4月10日、岡田外務大臣が来訪し、3月16日付け要請に対し文書により回答。
これまでに公にされた米国の核政策(1991年米国海軍の艦艇及び航空機からの戦術核兵器の撤去、1992年同撤去の完了、本年4月の核トマホーク(TLAN/N)の退役)に基けば、現時点において、我が国政府としては、核兵器を搭載する米国艦船の我が国への寄港はないと判断しています。
市長回答
大臣自ら来訪され、具体的な説明をいただいたことに感謝する。本日の国の説明を信じたいと考えている。
横須賀市は重い基地の負担を抱えている。外務省は米国の事件・事故、防衛省は補助事業、総務省は基地交付金というように縦割りになるのではなく、国全体として横須賀市の負担を再認識していただきたい。